NISAを利用して投資を始めたものの、値動きが気になってストレスがたまってしまうという人も多いだろう。ファイナンシャルプランナーの藤原久敏さんは「投資でストレスを感じている人には、ある視点が欠けている場合が多い。これは人間関係や就職にも共通する失敗の原因」という――。
大勢の聴衆の前でスピーチをするビジネスマン
写真=iStock.com/hxdbzxy
※写真はイメージです

いろいろ書かれる、受講者アンケート

私は普段、投資に関するセミナーや講演を行っています。そしてセミナーや講演終了後には、主催者が満足度アンケートを実施することも少なくないのですが、その中で、実にいろいろな意見・感想をいただきます。

自由記述欄にて、「分かりやすかった」「よく理解できた」といった嬉しい意見・感想もあれば、「分かりにくかった」「よく理解できなかった」など、厳しい意見・感想もいただくこともあります。

かつては、そんな意見・感想に一喜一憂していましたが(とくに厳しい意見・感想には凹んでいた)、いまでは長年の講師経験を経て、どんな意見・感想でも冷静に、かつ真摯に受け入れることができています。

しかし、これだけは絶対に書かれたくない、書かれないようにしている、意見・感想があります。実際、その意見・感想が書かれていると、かなりの低評価(最低評価も珍しくない)となるといっても過言ではないことに、長年の講師経験で気づいたのです。

低評価につながる致命的な感想とは?

その致命的な意見・感想とは、一言で言えば、「思っていたのと違う」です。

たとえば、「個別株の話を聞きたかったのに、ファンドの話だった」や「外国株の状況を知りたかったのに、海外市場にはまったく触れられなかった」といったテーマの食い違いや、「具体事例が聞きたかったのに、一般論ばかりだった」や「複雑な事例を聞きたかったのに、基本事例ばかりだった」といった内容の食い違いなどが挙げられます。

自由記述欄にて、そのような「思っていたのと違う」旨が書かれているアンケートは、ほぼ間違いなく、かなりの低評価となっています。これは主催者にとっても、講師にとっても、大きなマイナスイメージでしょう。

また、そのアンケートを書いた受講者にとっても、そのセミナーに費やした時間・費用はまったく無駄なものになってしまうわけですから、この「思っていたのと違う」は、絶対に避けなければいけないのです。

ですので、私が一番気を使っていることは、そのセミナーテーマと合致する内容を話すこと。当たり前のことだと思われるかもしれませんが、「事前に主催者側とすり合わせができていなかった」「ついつい、熱が入ってしまった」ときなど、テーマと外れた内容に終始してしまう危険性はあるのです。

また、パンフレットやWEB等での案内においても、そのセミナー内容はできるだけ詳細を記してもらうよう、主催者等にはお願いしています(タイトルだけの案内だと、「思っていたのと違う」が急増する)。

もっとも、それだけ気を配っても、受講生の解釈によって、「思っていたのと違う」は起こり得るもので、完全に回避することは難しいのが現状ではありますが。