仕事のパフォーマンスを上げるにはどうすればいいか。独自の「タイムコーディネート」を提唱し、4000人に時間術を指導してきた吉武麻子さんは「朝の30分の使い方で違いが出る。目覚めてすぐスマホを手に取るのではなく、脳の中を整理整頓する時間を作るといい」という――。

※本稿は、吉武麻子『24時間が変わる朝の30分』(大和書房)の一部を再編集したものです。

朝、カップを片手にカーテンを開ける女性
写真=iStock.com/TuiPhotoengineer
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何もしない朝時間があってもいい

「朝の時間はこう使うべき」という固定観念はありませんか?

「朝活=勉強」「朝活=仕事の準備」というように、何かに活用しないと意味がないと感じる人も多いかもしれません。しかし、朝の時間の過ごし方は、もっと自由に選んでいいのです。

たとえば、前日にハードな仕事を終えた朝は、ただ静かに頭と心と体を休めることを最優先すればいいですし、逆にやりたいことがある日は、朝から一気に集中して進めたほうが、スッキリするかもしれません。

何か明確な目標がある場合は、数カ月にわたって朝の30分を目標達成のために使うと、決めてもいいのです。

大事なのは、その時の自分の声を聞いてみること。朝を「整える」「集中する」「未来に動く」などどういう時間にするかをその都度選び取っていける柔軟さこそが、時間を自分のものにする第一歩です。

朝の30分を「なんとなく」使ってはいけない

ただし、前日の夜までには朝の時間の使い方を決めておきましょう。起きてから選んでいたら、それだけで迷って30分が過ぎてしまう恐れもあります。それはとてももったいないことです。

とはいえ、毎晩完璧に翌朝の計画を立てようとしなくても大丈夫です。まずは、寝る前にノートに「明日の朝、何をしたいか」を一言書いてみることから始めてみませんか?

退勤前10分間や、帰宅途中、お風呂につかりながら、歯磨きしながらなど、自分が習慣化しやすいタイミングで、「今日どうだった?」「今の自分の状態は?」と軽く振り返りながら、「だからこそ明日の朝は何をしたい?」と自分に問いかけてみるのもいいでしょう。

それだけでも、翌朝の時間の質は大きく変わります。朝の30分は、今日1日を、そして未来を、自分らしく生きるための仕込み時間です。「なんとなく」で朝30分を使わないこと。それだけは自分と約束してください。