深夜まで起きて、全く寝てくれない3歳息子
3歳児Kの夜は遅い。
23時に寝ればいいほうで、まれに深夜24時を回る日もある。宵っ張りの3歳児なのである。
保育園のパパ友に就寝時間を聞くと「夜8時30分頃かな」「うちは、夜9時過ぎには寝ます」……という答えが返ってくる。うちは23時過ぎるんですよ、とは言いにくく、早くていいですね、と曖昧に相槌を打つ。
それは、たぶん私が、Kの寝かしつけに後ろめたさを覚えているからだ。
私の仕事場兼寝室と、妻とKの寝室は分けてある。深夜まで原稿を書いたり、資料を読んだりする日もあるからだ。といっても、最近は仕事の依頼も少なくなり、深夜まで仕事をする日もずいぶん減ってしまった。勢い酒量が増える。
妻の出勤日は、17時頃に保育園にKを迎えに行く。帰宅後、夕食の準備をしながら、18時過ぎにはビールを飲みはじめる。夕食を終える20時頃になると、酒がいい感じで回って、Kと遊ぶ。至福のひとときだ。
「K、歯磨きしてねんねしよう」
妻が促すのが、21時30分頃。母子が寝室に入っていくのを見届けてから、私も自室に布団を敷いて寝転がる。酔いも手伝いすぐに寝入ってしまうのだが、Kは母親を相手に1時間半は遊んでいるという。つまり父親である私は、3歳児のKよりも早く眠ってしまっているのだ。
「寝る時間」よりも「起きる時間」が重要
言い訳をさせてもらうと、寝室に私が顔を出すとKが興奮して、さらに眠るのが遅くなってしまう。妻とKが寝室に行ったら、私も寝る。それがいつしか習慣化してしまったのだ。妻には本当に申し訳ないと思っている。
収入も生活も不安定で不規則なフリーランスの私が、父親になれたのは間違いなく定職に就く妻のおかげだ。しかしKが産まれてから、妻の視線に小さなとげを感じる瞬間がある。気のせいならいいのだが……。このままでは妻に愛想を尽かされてしまうかもしれない。
Kをいかにして早く寝かせるか。
寝かしつけは、Kの規則正しい生活のためだけではなく、私の人生に直結する問題なのだ。私の切実な悩みに対して、お茶の水女子大学特任教授で『「やりたい」を引き出す! 宮里先生の子どもが伸びる育児のレシピ』(講談社)の監修者である宮里暁美先生はこう切り出した。
「寝る時間はもちろん重要なのですが、その前に意識してほしいのが、起きる時間です。子どもには日中の明るい時間帯に元気に過ごしてほしい。とすると親が起きる時間をコントロールしてあげる必要があります。起きる時間はコントロールできますが、眠気をコントロールするのは難しいですから。Kくんは何時くらいに起きていますか?」
Kの起床は概ね8時少し前。その後、8時40分頃に家を出て、徒歩3分ほどの保育園に向かう。

