親の死後に遺言書を開封したら、あまりに雑な内容で仰天した……こんなケースが続出している。「ないほうがマシな遺言書」とはどんなものか、相続のプロに聞いた。

内容があいまいで家族が困るケース

元気なうちから終活に取り組み、「遺言書を書いておこう」と考える人は増えています。それは専門家の一人として嬉しいことですが、一方で手放しには喜べない現状もあります。

私は行政書士として、のこされる家族がもめないための遺言書づくりをサポートしています。その経験から断言できるのは、「何の問題もない遺言書をご自身だけで書くのは、想像以上に難しい」ということです。

遺言書には主に「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の2つのタイプがあります。最も手軽なのが自筆証書遺言で、紙とペンさえあれば費用もかからず一人で書けるため、この方法を選ぶ人も少なくありません。しかし私の経験上、専門家の関与を受けずに作成した自筆証書遺言で、まったく問題がないものを見たことはたった一度しかありません。そのほかは、多かれ少なかれ何らかの問題があるものでした。