完璧主義者は企業で評価されない

これにショックを受けて、ひどく不公平だと感じる人は、おそらく学校でもとてもいい成績をとっていた人だろう。学校というのは完璧主義がよしとされるところである。

私の場合、6年生から大学卒業まで全教科でAをとり、先生たちを満足させる水準の成果をあげるために必要なことは何でもした。確かに、この戦略は学生のときは成功した。私のオールAのGPA(評定平均値)は卓越した達成水準のしるしであり、私の場合、幸いにも奨学金と仕事のオファーという見返りをもたらした。

だが、7年以上前に私が自分自身のビジネスを始めたとき、ルールが変わった。あらゆることでAグレードの成果を出そうとしたら、私の成功が小さく限定されることに気づいたのだ。

その時点で、私は自分の強みにもっと集中する必要があることを理解した。トム・ラスが『Strengths Finder(強みを見つけ人)』で説いているように、自分の弱みを強化する努力を続けるよりも自分の強みをフルに生かすほうが、より大きな成功をおさめられるのだ。より多くの時間とエネルギーを投入することですばらしい成果を出せるのはどこで、ほどほどにやることでより大きな見返りが得られるのはどこかを意識的に判断することの重要性を、私は理解した。この発見は、私自身の成功へのアプローチと、途方に暮れているクライアントを力づける能力に大きな影響を与えてきた。

タイムコーチングのクライアントと話をすると、彼らが大学教授だろうと、企業幹部だろうと、弁護士だろうとみなあらゆることをする時間が見つけられないと感じているのである。その感覚は正しい。あらゆることをする時間がある人などどこにもいないのだから。現代社会の活動のペースと情報のレベルを考えると、時間管理は過去のものになったといえる。どれほど能率的な人でも、あらゆることをスケジュールに入れ込むことはできなくなっているのである。

時間投資という私の考え方は、個々人が時間を限られた資源とみなし、自分個人の成功の定義に合わせてそれを配分することを勧めるものだ。この考え方はいくつかの実際的なテクニックへと導く。