「トライして失敗するより、チャレンジしないでチャンスを逃すほうが、むしろリスクだと思う」と回答した人が、年収1500万円以上では7割を超えている。アメリカ・コーネル大学の心理学教授であり、近年注目を集める行動経済学の研究者でもあるトーマス・ギロビッチ博士によると、人間は、行動したときの後悔より行動しなかったときの後悔のほうが深く心に残るという。ここでも高年収者ほど行動することの価値を本能的にとらえていることがわかる。

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運のつかみ方

「失敗したときだけでなく、うまくいったときでも、なぜうまくいったのかを振り返って分析する」に「あてはまる」と答えた年収1500万円以上の人は、年収500万円台のほぼ3倍にあたる。いいときも悪いときも含めて「WHY?」と振り返る問題意識の差が表れている。

「嶋津流・運のつかみ方」というメルマガの記事でも書いたことがあるのだが、自分がやりたいと思うことを情報発信していくと、そのために必要な情報や協力者が不思議と集まってくることがある。高年収者の2人に1人が「やりたいことを多くの人に伝えることで、チャンスをつかんだ経験がある」と答えているのもうなずける。

「たとえ不可抗力に近い出来事であっても、すべては誰のせいでもなく、自分自身の責任である」と考える人が年収の高い人ほど多い結果を見て、ある例え話を思い出した。

毎朝、同じ電車に乗る無遅刻無欠勤の人が、あるとき、電車がたまたま車両故障を起こしたために遅刻した。遅刻の原因はもちろん車両故障にある。だが、遅刻した責任はどこにあるのだろう。それは、いつも乗る電車が遅れないと勝手に決めつけていたその人自身にある。

どんな出来事でも最終的には自分の責任だと思える「自己責任能力」の高い人は、問題が起こったとき、自分に何ができるだろうと発想できる。それが、現状の改善や自身の成長につながるのだ。

(構成=榑松ひとみ)
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