ベストを尽くして頑張ってきた人間にしか見えない「向こう側」があると私は思っている。その向こう側に、生きる目的や天職といった人生で本当に大切な何かがあるのではないだろうか。

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夢を実現する力

「将来はこんな仕事や暮らしをしたいという確固としたイメージが自分のなかにある」に「あてはまる」と答えた人は年収1500万円以上で年収500万円台の2倍以上いる。「こうなりたいという自分の姿をイメージすることで、実際に目標が現実化した経験がある」に「あてはまる」と答えた人は4倍近い。

じつは私も若い頃、いずれは代官山に住みたいと思い、妻とよく散歩に出かけていた。しかも、実際にそこで暮らしているかのようにスーパーで買い物をするようにしていた。のちに代官山に家を買ったのだが、なりたい自分のイメージがリアルであればあるほど、手が届かないと思っていたものを手に入れるための方法論も具体化する。

高年収者ほど「土壇場にきたときに、もうダメだと思っても、最後まであきらめずに粘るほうだ」と答えているのは、行動することの大切さがわかっているからだろう。セミナーやビジネス書で学んで満足しても、けっきょくは学ぶことが成果を変えるのではなく、行動することが成果を変えるのだ。

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試行錯誤の時間

年収500万円台では「いまの仕事に迷ったら、何のためにいまの仕事をしているのかを掘り下げて考えてみる」「考えることや試行錯誤することに、何より時間を使うようにしている」に「あてはまる」と答えた人が極めて少ない。この結果を見て、自分の強みを知ることの大切さを思った。

人間には所属の欲求がある。周りから必要とされてこそ、自分の存在価値が実感できる。職場であれ、社会であれ、自分の強みを生かすステージを見つけることが、稼ぐこと以上に、人生を豊かに楽しむポイントだと思う。