しかし、都市化が進むと、今度はアパートの隣にどんな人が住んでいるかもわからないというように、極端につながりがなくなった。休日に声を発したのはテレビの漫才に突っ込みを入れたときだけ、なんていう経験がある人もいるかもしれません。
あまり干渉されるのもわずらわしいけど、ここまでつながりがないのは寂しいなと思っていたところに、SNSが登場した。そういう人が使ったということだと思います。
SNSでは自分に合ったつながり方や人との距離感を選べます。広く浅くつながりたい人はSNSを活用すればいいし、リアルなつながりを重視する人は実際に知っている人としかSNSで友達にならなければいいのです。
SNSはどうも苦手だけど、もっとリアルな友達が欲しいという人もいるでしょう。まず、自分の住んでいる町の情報をネットで検索してみてください。その中には、ワークショップや講演会、懇親会などのイベントがたくさんあるはずです。実は、つながるための場を行政がたくさん用意しているのです。
その中で、自分に合うものを探して、実際に参加してみましょう。継続して参加すれば、そのうち顔見知りもできます。運営側に顔を覚えてもらえたら、運営のお手伝いを積極的にやっていく。そうすれば、同じ趣味や嗜好を持つ人たちと知り合うことができるでしょう。
ちなみに、私はFBの愛好家ですが、FBの面白さはリアルで交流のある友人や知人の書き込みを見られることにあります。「ラーメンを食べにいった」という他愛のない書き込みが、普段の印象とかけ離れていて面白く感じるかもしれない。FBは、実はリアルなつながりを補完するうえで、とても役に立つSNSだと思います。
コミュニティデザイナー 山崎 亮
1973年生まれ。studio-L代表、京都造形芸術大学教授。地域が抱える課題を、地域に住む人々が解決するコミュニティデザインの第一人者。『コミュニティデザインの時代』など著書多数。
1973年生まれ。studio-L代表、京都造形芸術大学教授。地域が抱える課題を、地域に住む人々が解決するコミュニティデザインの第一人者。『コミュニティデザインの時代』など著書多数。
(構成=田中裕康)