「インターネット関連の詐欺事件は、以前からほぼ決まったパターンのものが多いんです。典型的なものでは、全く知らない相手から突然、『何年か前から有料サイトに登録しているが、会費が払われず、滞納されている』というメールが送りつけられるという手口です。いわば振り込め詐欺のネット版。こういうときは、絶対に返信しないようにしてください」

ネット関連のトラブルに詳しい神田将弁護士が解説する。最近は会員制サイトの「フェイスブック」でも怪しい投資話が横行するようになったという。

「フェイスブックは実名登録が原則なので、オープンなサービスに比べて安心感があります。その心理を利用して、『一緒に趣味のホームページを立ち上げませんか。アクセス数が増えたら広告費をキャッシュバックします』などと投資の誘いをかけるのです」(神田弁護士)

フェイスブックに登録しているからといって必ず実在の人物であるとは限らない。偽名登録も完全には防げないし、何らかの手段で他人のメールアドレスや生年月日などの個人情報を盗み取り、成りすましている可能性もあるからだ。

茅場町総合法律事務所 弁護士 神田 将
1963年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。98年、司法試験合格。著書・監修書として『図解による民法のしくみ』『インターネットの法律とトラブル解決法』などがある。
(久保田正志=構成 尾崎三朗=撮影)
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