保険は夫婦がそれぞれ毎月の掛け金2000円の共済に入り、あとは山内さんが掛け捨て型の死亡保険に入っているだけ。ネットで割安なものを探して加入した。子供はまだ小さいが、万一のことがあれば実家に戻ればいいし、妻は看護師として働くことができる。「保険にお金をかける必要はない」と夫婦で話し合った結果だ。
山内流の真骨頂ともいえるのが「マイホームを買わない」という方針だ。いずれは親の家を相続するので、老後の住まいに困ることはない。それなら、子供の成長に合わせて賃貸住宅を住み替えればいい、と考えている。子供が小さいうちは家が狭くても問題ないし、成長して手狭になれば広めの家に移るつもりだ。大学生になれば家を出る可能性もあるだろう。広い家が必要な時期は意外と短い。そう考えれば、状況に応じて住み替えられる賃貸のほうが合理的な選択だ。
こうしてムダを徹底的に省く一方で、趣味にはある程度、お金をかける。たとえば、走り続けるために必要な補助食品やサプリは欠かせない。また、ランニング専門誌やシューズなどの消耗品に使うお金は月1万円までと決めている。さらに、年1回は旅行を兼ねて家族で大きな大会に参加。そのための費用はボーナスから予算をとってある。
家計管理はパソコンが得意な山内さんが担当。エクセルを使って毎月の収支を計算する。月2万5000円のこづかいも山内さんが自分で決めた。趣味の費用は別に予算をとっているので、これで十分だ。
山内家の今後の課題は教育費。今はまだ子供が2歳なので、教育費は絵本の購入程度ですんでいるが、大学進学資金は早めに貯めておきたいと思っている。また、子供がもう1人ほしいという希望もある。もっとも、現在すでに360万円の貯蓄があり、年間では約30万円の貯金ができている。このペースならこれから10年間で300万円の貯金が上乗せできる。住宅を買わないなら、教育資金は十分に貯められるだろう。
さらに、子育てが一段落したら、妻は仕事を再開するつもりだ。妻の実家は自転車で10分程度と近く、普段から頻繁に行き来している。妻が働き始めるときには協力を得られるはずだ。
山内家は家計面も体力十分。家族そろってホノルル!も、遠い夢ではなさそうだ。