「収入の2割を貯金」これを貫けば大丈夫

一般的なサラリーマンの収入は約2割が税金と社会保険料で消える。残る8割のうち6割で生活して2割を貯金する生活を続ければ、老後はまず大丈夫だろう。生涯困らないための目標は“収入の2割を貯金”と覚えておこう。

老後資金づくりのベースに利用する商品は、投資信託などを利用した積立投資がおすすめだ。大切な資金でリスクをとるのは避けたいと思うかもしれない。だが、20年、30年も先に使う老後資金づくりではインフレも視野に入れなければならない。インフレになれば、せっかく貯めた資金が目減りしてしまう。このリスクに備えて、特に若い世代ほど投資をとりいれたほうがいい。

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図2 5万円分の積立投資、価格変動による損益はどのくらい?

図2のように、積立投資では安いときに多く買い、高いときには少なく買うことになるので、長期で続ければ価格変動リスクの軽減が期待できる。投資先としては、長期的に人口増が見込まれ経済成長が期待できる新興国を中心とするのが基本だ。ただ、ケース1のように価格が上昇から下落に転じたときは損失が膨らむこともあるので、積立投資といえども放ったらかしは禁物。価格には目配りし、「さすがに上がりすぎ」と感じたら、いったん売却する臨機応変な対応も必要だ。

一方、教育資金など老後を迎える前に使う予定の資金については、安全商品を中心に運用する。基本になるのは預貯金や個人向け国債だ。なかでも現在、0.5%超(税引き後)と、もっとも金利水準が高いのは個人向け国債(変動金利、期間10年)。ただし、受け取った利息は使わずに次の運用に回さないと意味がない。

また、手持ち資金などまとまったお金やボーナス資金の運用についても、投資環境のよいときを除いてリスク商品は避けたほうが無難だ。特に、リタイアが視野に入った50代以降の世代は、投資で損が出ても取り戻すには時間が足りないため、リスク商品の比率を高めすぎないように心がけたい。

(構成=有山典子 写真=PIXTA)
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