教育費につぎ込むと、老後資金が貯まらない

老後資金づくりのうえでは、教育費とのバランスが大きな課題となる。目の前で必要な教育費にお金をつぎ込んでしまうと老後資金は貯められない。特に、子供を私立の中学・高校に入れると、1人につき少なくとも年間100万円はかかってしまう。子供1人を私立に通わせるには、年収600万円の家庭でギリギリ、子供2人を私立に通わせるには年収800万円ないと無理、と考えたほうがいいだろう。もし年収が足りないなら、妻が働いて収入を増やすなど、何らかの工夫が必要だ。

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子供がもう中学生

私立か公立かという問題も含めて、教育費と老後資金を両立させるうえで最大のポイントになるのは「子供の年齢」だ。子供が高校(私立なら中学)に入学してから社会人になる間の家計は厳しく、老後資金の積み増しは難しい。貯蓄に励むことができるのは、子供がまだ小さい時期と、子供が社会人になった後だけだ。このスケジュールはあらかじめわかっているのだから、早いうちに「貯蓄ができる時期」と「できない時期」をしっかりと想定し、「貯蓄ができる時期」には確実に実行することが重要になる。

特に、子供が小さい家庭では、下の子が社会人になる頃には夫の年齢が60歳をすぎていることも少なくない。

「老後資金は後回し」と思っていると、貯めるチャンスを失ってしまう。子供が生まれるまでに貯めた貯蓄が十分にあるならともかく、ほとんど貯蓄がないような場合には、今後かなりの頑張りが必要だ。

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子供がまだ幼稚園

図のケースはいずれも、43歳サラリーマンで年収700万円、妻は専業主婦の例。税金・社会保険料を引いた手取り年収は約550万円で、子供は2人。ただし、上の例では子供が2人とも中学生、下の例では上の子が小学2年、下の子はまだ幼稚園だ。

図を見ればわかるように、この2つの家庭では、「貯蓄ができる時期」がまったく異なる。

まず、2人の子供がすでに中学生になっている上のケース。老後資金のベースとして、毎月3万円を積立投資。1万円を外国債券型投信、1万円を外国株式型投信、1万円を純金積立の組み合わせとする。下の子が高校に入学してから教育費がピークを迎える時期の家計は厳しいが、ここがふんばりどころ。老後資金の積立投資だけはなんとか継続することが重要だ。