老後に払う家賃は2000万円超!
家庭を築き始めた30代にとって、マイホームを買うか否かは最大の関心事の1つだろう。
少なくとも老後資金を考えるうえでは、マイホームを買ったほうがいい。老後も賃貸生活を続けるとすれば、家賃の分だけ老後資金が多く必要になるからだ。老後の家賃を月8万円とすれば、25年間だと2400万円になる。マイホームを持てば維持費やリフォーム費用がかかるが、それらを計1000万円と見積もっても、老後資金は1400万円も多く必要になる計算だ。
現在の金利水準なら、家賃とほぼ同等の負担でマイホームを購入できる。左に挙げたマイホーム派のケースでは、住宅ローンを借入額3500万円、金利2%、期間30年(65歳完済)で組んだ設定だ。この場合の返済額は年間約142万円(毎月約11万8000円)。ほかにマンションの管理費・修繕積立金、固定資産税などが年間約25万円かかるが、住宅ローン控除でこれらの経費は当面の間、相殺される。
一方、賃貸派の家賃は月額12万円で、年間では144万円を想定した。
つまり、マイホーム派と賃貸派の住居費はほとんど同じということだ。だが、賃貸派は老後に備えて、より多くの貯蓄や投資に励む必要がある。
図の例では、マイホーム派、賃貸派いずれも家庭年収は650万円。うち夫の年収550万円からは税金・社会保険料113万円を差し引かれる。妻のパート年収100万円に子ども手当24万円を加え、手取り年収は約560万円だ。この中から老後資金と教育費を貯めていくが、教育費は状況によって大きく異なることもあるので、2つの資金は分けて考えたほうがいい。