老後資金の上乗せとして、下の子が高校に入学するまで3年間はボーナスから15万円ずつ年30万円を貯蓄。さらに、上の子が社会人になってからは教育費分をすべて老後資金に回す。下の子が社会人になるまで2年間は年100万円、その後は年200万円のペースで貯めれば計1600万円になる。これらの上乗せ資金は、安全性商品の個人向け国債(変動金利、期間10年)や預貯金などで運用する。

収入が減る60歳以降は手持ち資金を安全性商品で運用するとともに毎月3万円の積立投資だけは継続。これで、65歳時点の積立投資額は元本だけで約800万円、年4%で運用できれば約1270万円になる。上乗せした老後資金約1700万円と合わせれば、65歳時点の老後資金は約2500万(積立投資の運用利回り0%)~3000万円(同4%)になる計算だ。このほかに退職金があれば、この金額にさらに上乗せできる。まずまず安心できる老後資金ができそうだ。

貯蓄に励めるのは、子供が小さいうちだけ

子供がまだ小さいケースでも、老後資金のベースとして月3万円の積立投資を65歳まで続けるのは同じ。だが、上乗せ資金を貯められる時期がまったく逆になる。このケースでは、下の子が社会人になるときに夫の年齢はすでに60歳で、ラストスパートをかける時間がない。

(PIXTA=写真)

図を見れば一目瞭然だが、このケースで老後資金を積み上げられるのは、子供が小さいうちだけだ。そこで、今すぐダッシュをかけて毎年120万円の貯蓄を開始、下の子が中学に入るまで7年間続ける。だが、子供の教育費が本格的にかかるようになると、このペースで貯蓄を続けるのは難しい。下の子が中学に入学してから3年間は毎年120万円の上乗せ貯蓄を30万円に減らし、下の子が高校に入学した後はなんとかふんばって、積立投資だけを継続する。そして、上の子が社会人になる58歳から60歳までの2年間だけは、毎年200万円の貯蓄を積み上げる。これで、上と同様に計算すれば約2130万~2600万円の老後資金が確保できる計算だ。

このケースでは、毎月3万円の積立投資だけならまだしも、今すぐ毎年120万円も貯蓄するのは難しいと感じる人が多いだろう。しかも、この貯蓄は老後資金だけで、このほかに教育資金の準備も必要になるのだ。

こうした現実を直視したうえで、特に子供がまだ小さい家庭では、今後どれだけ教育費をかけるかについても検討するといいだろう。このケースのように妻が専業主婦なら、パートで働いて収入を得ることも解決策の1つになるはずだ。

(構成=有山典子 写真=PIXTA)
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