「日常的に使うお金」は普通預金に

これまでは普通預金と定期預金の金利差がほとんどない時代でしたが、今後は差が開いていくでしょうし、定期預金は預入期間によって金利が異なります。

まず、自分のお金を「いつ使うお金か」という切り口で眺めてください。たとえば、「常に出し入れするお金」「1年程度は使う予定のないお金」「数年間は使う予定のないお金」といった具合です。

常に出し入れするお金の預け先は普通預金です。

三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクなどは、今年3月から普通預金金利を0.1%から0.2%に引き上げると発表しました。17年ぶりの金利水準と騒がれましたが、以前の記事(※2)でもお伝えしたように、ネット銀行ではメガバンクよりはるかに高い金利をつけているところが多いです。

ただし、どんなに高金利であっても、「最大○%」という表示の場合、その銀行が設定する諸条件を満たした限りにおいて適用になることに注意が必要です。

(※2)「独立系ネット銀行9行」の中でどこがおトクか…普通預金金利をいち早く「0.15%」に引き上げた銀行の名前

「0.35%」という魅力的なネット銀行も

たとえば、auじぶん銀行は最大0.41%と目を引く金利ですが、通常の金利は0.11%です。「auアプリと連携で+0.05%」「au PAYカードの引き落としで+0.05%」など、さまざまな条件を上乗せした場合の最大の金利が0.41%となるのです。一方、条件を付けずに高金利を提示しているのが、あおぞら銀行BANKの0.35%です。

気を付けたいのが、普通預金は変動金利だということ。金利改定があれば適用される金利は変わります。利息は1日ごとに計算し、通常は年2回支払われます。金利は年単位なので、利息は以下のように計算します。

1日あたりの利息=預入残高×金利÷365

このように計算された利息が半年ごとに支払われ、元本に組み入れられます。支払日以降は、利息を組み入れた元本にもとづいて利息を計算します。

ここまで、普通預金の金利について見てきましたが、普通預金は金利だけでなく利便性も考慮する必要があります。生活圏の中に利用できるATMや店舗があるか、入出金や振込時の手数料の条件など、それぞれのライフスタイルに応じて、使い勝手の良い銀行かどうかという視点で選びます。

多少金利が高くても、手数料で金利分が吹き飛んでは元も子もありません。給与や年金の振込口座に指定したり、住宅ローンを利用していると優遇金利の適用になるケースもあります。