楽しむ側からプロが生まれる

コスプレ衣装のビジネスで先駆的な会社にCOSPA(コスパ)があります。秋葉原には5店舗のオフィシャルショップを構えています。COSPAはコスプレ衣装を単なる仮装用衣装ではなく、キャラクタービジネスの一環としてとらえています。

キャラクタービジネスを育てるには、キャラクターが一過性のブームで使い捨てにされるのではなく、長く愛されるように工夫しなければなりません。そのために、好きなキャラクターになりきるコスプレをキャラクターへの愛情表現と捉え、コスプレ活動を支援することもキャラクタービジネスの成功につながると考えているのです。COSPAは、アニメやゲームのキャラクターの版権管理者から許諾を得た高品質のコスプレ衣装を販売するだけでなく、いろんなアニメやゲームの見本市やファンイベントの会場でコスプレを楽しめるように尽力し、コスプレ文化の育成に貢献してきました。

最近では、コスプレを支援する業者だけでなく、ユーザー側であるコスプレイヤー自らがコスプレで培った才能を活かし、プロとして活躍する事例も出てきました。コスプレ衣装や小道具を自作していたコスプレイヤーの中には、服やアクセサリーのブランドを立ち上げ販売する人もいます。

また、デジタル一眼レフカメラや画像編集ソフトの普及により、コスプレの写真集を自主制作するコスプレイヤーも増え、中にはプロのカメラマンとして活躍する人もいます。さらには、コスプレ芸人のような、コスプレとエンターテイメントを融合した新しいサービスを生み出すコスプレイヤーもいます。これらの事業規模はとても小さなものですが、趣味と実益を兼ね合わせた新しい働き方として、大いに可能性を感じます。

ところで、最近、急激に増加し目立ち始めたコスプレ関連ビジネスがあります。しかもそのビジネスは、やっと世間にも正しく認知され始めたコスプレ文化を破壊しつつあるのです。この話は、次回にいたします。

(次回のお題は「コスプレをビジネスにするには(後篇)」。4月30日[火]更新予定)

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