「結婚しないんじゃなくて、できない。間違いないですよ。自己分析するとね、自分が嫌いなわりに傷つくのを怖がるんです。そのくせ、『結婚できない男』の阿部寛みたいに上から女性を見てる」
女性の話になると、攻撃的なほど饒舌になる。「社会人デビュー」以来、約20年間に6人と交際。すべて理由不明のままフェードアウトされた。
「『使い捨て』の駒として利用されて、後はポイ。元カレと別れたばかりの子と2回付き合ったんですけど……」
休日、ランチの後で頬を寄せ合ってウインドーショッピング。夜はホテルのラウンジで延々4時間、元カレの愚痴から仕事の悩みまで、じっと聞いてあげた。なのにその彼女、「私、決めた。結婚相談所で相手を見つける」と宣言。大手商社の男をゲットして消えた。
「未練が吹っ切れたところで用済み。いい仕事してんな、俺(涙目)」
もう1人も「完全なお泊まりコース!」と手を握ろうとしたが、指先が触れあう寸前にパシーンと振り払われた。話を聞く限り、「それって女性サイドはタダのお友達のつもりでは……」という疑問もなきにしもあらずだが、何しろ涙、涙の女性“遍歴”だ。
「こんなんばっか、ずーっと女性不信ですよ。突っ走ってたのは俺だけで、振り向くと誰もいない。女って怖い」
しかし、そんな彼に光を与えてくれるのが、アイドルという存在だ。
中学時代から大学卒業まで徹頭徹尾アイドルにのめり込んだ。菊池桃子に始まり、おニャン子クラブ、西村知美……。私大在学中は、アイドル同好会を結成。青春はこうして費やされた。