2人が出会ったのは、離婚したケイコさんが子連れで移り住んだ下町のバドミントンクラブだった。クラブの主婦同士の揉め事を見事に捌いたのがヒロシさん。「この人、問題解決能力がある!」とケイコさんは感動した。

そして、子持ちで6歳年上のケイコさんに惚れ込んだヒロシさんが、毎日仕事帰りに1トントラックで会社に迎えにいき、見事、2人はゴールイン。

「前の結婚でわかった。一緒に暮らす男に学歴や地位は必要ないんです」

とはケイコさんの名言。子どもも生まれ、手狭になったマンションの代わりに一戸建てを買った。高校中退の夫の仕事が突然契約を切られ、6カ月ほど失業したこともあるが、収入に関してはケイコさんという大黒柱がいる。

「でもウチの精神的な支柱は夫。大震災のときも、『迎えにいくから待ってろ』ってすぐ連絡してくれて、頼もしかった。震災直後には、家の2階からの脱出ルートを確認したり、風呂水をためたり、夫の地元ネットワークで『いざというときはこうしよう』と細やかに動いてくれました。もし窓や扉が開かなくなっても、『絶対に俺が蹴破ってやるから大丈夫』と言ってました」

有事に頼れるまっすぐな“オトコ力”に、ヒロシさんは満ち満ちている。

「何かが起こっても、俺が家族を守ってやる……という夫の気持ちが、がっしりと家族を支えています。実際、力があるので、子どもを抱えて走るとか、倒れたものを起こすとか、問題なくできると思うので安心ですね」

もともと派遣社員だった夫の仕事は今も不安定だが、それに代え難い男気がある。洗濯、子どものお迎えなどをフットワーク軽くこなす柔軟性も大事だ。そして夫の地元に住み、そのネットワークに家族が守られる、お金では買えない「絆」も手に入れたといえる。

年収300万円台でも、非正規社員でも結婚できる男性の特性は、「優しさ」「まめさ」「男気」「自分から好きになってくどく積極性」「家事を嫌がらない」等々だ。では、一方の「結婚できない男性」の特性とは何だろう?