夫婦双方のまったり、ほんわかしたテンポが心地よい。運命の人と感じた?と問うと、ケンイチさんはゆっくり頷いて、「やっぱり惹かれてたんやと思いますわ」と明快だった。

友人との飲み会で出会った2人の結婚のきっかけを尋ねると、ミカさんは「優しくて、合わせてくれるから」と笑う。ミカさんの前職は舞台美術関連で、仕事はかなり不規則。「徹夜とか泊まりでスケジュールが見えないのに、まめに連絡を取って、私に合わせて会う時間をつくってくれていたから。これまでは、会えないし連絡も取りづらいので、付き合っても別れるパターンが結構多かったんです。でも、頑張って連絡取ってくれて(笑)、夜ご飯だけでも会ってくれたりとか、そのあたりが好印象でした」と言う。

ケンイチさんのほうがひと目ぼれで「頑張った」というのが真相のようだ。

「年収に関係なく、マメに頑張る男性」というところが結婚のポイント1。同棲中も、2年間の共働き婚時代も、家事や家計をお互い協力している。

「洗濯と食器洗い、すごいしてくれる」とミカさん。ケンイチさんも「それが主な家の仕事です」と言う。「仕事があるときは泊まりこみ。仕事がないときは時間があるという極端な生活だったんで、それはお互い協力せな無理やん。やっていかれへん」(ミカさん)。“協力してやっていこう”という柔軟性がポイント2。逆に低収入でも「俺が養う」意識が強い男性は、なかなか結婚には至らない。

しかし固定費が月12万円というから、手取り月18万円の給料だと、かなりギリギリの生活にはなる。

「赤字でもない、トントンぐらいです。食費とか日用品は月4万円に収まるように、妻がうまくやりくりしてくれているんです。給料日に4万円渡して、これで今月はお願いしますって」