近くに住むケンイチさんの両親はまだ現役の50代。食事や買い物をともにして、5000円分程度の食料や日用品を買ってもらうこともある。豊かな親世代からの恩恵はありそうだ。

年収300万円台でも、地方なら十分に子どもを持つ暮らしができる。今は貯蓄はボーナス時だけだが、ミカさんが専門職なので、出産後は土・日などに仕事ができれば貯蓄は可能だ。「月に4回出れば、6万ぐらいにはなる。近所のスーパーのパートよりも効率がいい」というから、教育費を捻出する余裕も出てくるだろう。

話していて不思議に思うほど、2人は似ている。醸し出すホワンとした空気というか、顔も似てきているような。

「よく言われる。結婚する前から兄弟みたいと言われてた、そういえば」

美男美女というわけでもなく、結婚するのはこういう似た者同士なのだ。

何かが起こっても、「俺が家族を守る」

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低年収でも結婚できる男

年収300万円台の非正規職でも、東京の下町に一戸建てを構え、3人の子どもを育てる人もいる。というのも、彼の奥さんは年収1000万を稼ぐキャリア女性なのだ。

三社祭の季節になると、急にマツダさん一家は忙しくなる。運送業の夫ヒロシさん(39歳)は地元の御神輿の担ぎ手としては欠かせないお祭り男。地元の友達や地方出身の友達まで家に呼んで、毎晩どんちゃん騒ぎだ。下町のおかみさんらしく煮物の仕込みをするケイコさん(45歳、マスコミ)は、もともとお嬢様学校出身の4大卒。