批判があっても駅伝は続く
一方、箱根駅伝を目指す大学側も、大会への意気込みは増す一方。多くの大学が宣伝効果の高い箱根駅伝出場を「入学希望者獲得に向けた経営戦略の1つ」として位置付けている。陸上部を長距離優先の構成にしてスカウティングを活発に行うほか、運営面でのサポートも充実させるなど、事実上の特別扱いと言っていいかもしれない。
そのため、「長距離の有力選手が関東に集中」「地方軽視で地方との格差拡大」「他の陸上競技を軽視」「他の運動部の不満がたまる」などの問題点を指摘されることも少なくないが、国民的な盛り上がりになっている以上、この流れはしばらく止まらないだろう。
そもそも箱根駅伝は「日本のスポーツで最長の歴史を持つ」と言われる純度の高いイベントであり、それを知って注目している視聴者が少なくない。だからこそ大学も放送局もビジネス的なうまみばかりを追求しないことが、この盛り上がりを続けていくポイントになるのではないか。