2024年はどんな番組が人気だったのか。コラムニストの木村隆志さんは「豪華なゲストで彩られる年末年始の特番でも、大谷翔平選手でもかなわない番組があった。それは、『日本のスポーツで最長の歴史を持つ』イベントだ」という――。
サッカーの中継からチャンネルを変えようとしている手元
写真=iStock.com/Michael Reeve
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「視聴率トップの番組」が熱烈な支持を集めるワケ

師走も残りわずかとなり特番ラッシュの時期に入っている。なかでも年末年始で最も視聴率を取る特番と言えば箱根駅伝で間違いないだろう。

事実、2024年12月17日にビデオリサーチが発表した「今年よく見られたテレビ番組(1月1日~12月15日の速報値)」の個人視聴率(リアルタイム)ランキングで『第100回箱根駅伝・復路』の17.5%が全ジャンルの1位に輝いている。世帯瞬間最高視聴率は青山学院大が優勝を決めたシーンの34.3%であり、『往路』も3位の15.7%を記録するなど圧倒的な結果だった(データはビデオリサーチ調べ、関東地区)。

パリオリンピック、MLB大谷翔平選手のドジャース戦、サッカーの日本代表戦など、「日本人が好き」と言われる国際試合を押さえて堂々のトップであり、箱根駅伝がいかに関心を集めているかがうかがえる。

なぜ国内、しかも関東の大学による大会であり、有名選手もほぼいないにもかかわらず、箱根駅伝はこれほどの人気を得ているのか。なぜ多くの駅伝大会がある中、箱根駅伝だけが熱烈な支持を集めているのか。その理由を掘り下げていくと、競技や放送を取り巻くさまざまな背景が見えてくる。