名言その2

【高みに上る人は、皆らせん階段を使う】

フランシス・ベーコン(イギリスの哲学者・政治家/1561~1626年)
フランシス・ベーコンの肖像画(画像=Pinterest/CC-PD-Mark/Wikimedia Commons

目標に向かって努力しているときに、思ったような手ごたえを感じられず、遠回りをしている気がすることがあります。そんなときは、ベーコンのこの言葉を思い出しましょう。遠回りをしていると感じるのは、あなたが「高み」に上っているからです。

人間の成長も旅も、節目や目的地に「最短距離」でたどり着けばいいというものではありません。らせん階段でゆっくり着実に前に進んだほうが、長い目で見るとより多くのものを得られるし、より高みに到達できるはずです。旅も同じ。寄り道しながらゆっくり進んだほうが、より充実した道のりになるでしょう。

近ごろよく聞くのが「タイパ(タイム・パフォーマンス)」という言葉。もちろん、無駄に時間や手間をかけるのは、いいことではありません。しかし、常に「タイパ」を最優先していたら、いつまでも「低み」をウロウロすることになる気がします。

●結論 らせん階段だと上っていきながら全方向の景色を見ることもできる
名言その3

【咲くのが早い花はしぼむのも早い。すぐにこぼれ落ちない松葉が寒い風にも耐える】

ナシ族(中国の少数民族)のことわざ

歌人の石川啄木も「友がみな我よりえらく見える日よ花を買い来て妻と親しむ」という歌を詠みました。誰しも他人と自分を比べて、落ち込むことはあります。たとえ現時点では、友のほうがえらく見えていたとしても、気にする必要はありません。まして、落ち込んでも仕方ありません。

ナシ族のことわざは「咲くのが早い花はしぼむのも早い」と言ってくれています。松葉は見た目は地味ですが、寒い風にも負けません。人にはそれぞれのペースがあり、それぞれの花の咲かせ方があります。もちろん、他人が咲かせた花がしぼむのを願う必要はありませんが、自分には自分の花があり、時期が来れば必ず咲かせることができると信じましょう。

冒頭で紹介した石川啄木も、泣き言を言ってはいますが、こうして後世にその名と作品を残しています。えらく見えた友の中で、啄木ほど見事な花を咲かせた人はいないでしょう。落ち込んだときに、一緒に花を愛でて語らってくれる妻の存在も、きっと大きな力になってくれたに違いありません。

●結論 他人の花は美しく華やかに見えるが、自分の花もけっして引けを取らない