相手の感情にあえて踏み込んでみる
人の気持ちは、そう単純ではありません。結婚したばかりだからといって、心のすべてが幸せに満ちみちているわけではありません。
また「会社で昇進した」という人も、誇らしさを感じる一方で、不安やプレッシャーも感じているでしょう。
そういった微妙で繊細な気持ちを感じ、それを表現できる力を磨いていきましょう。これが会話をふくらませるのに、大いに役に立つのです。
人の気持ちを想像するには、経験者の話を聞くのが一番です。
先ほどの結婚話でいえば、未婚の人でも知り合いからそういう話をよく聞かされているのではないでしょうか。
微妙で繊細な気持ちを察して会話に取り入れれば、相手は自分の経験について、感じている気持ちを交えて聞かせてくれます。こうしてまた新しい話題があなたのものになるわけです。
微妙な気持ちに気づく、ひとりレッスン
テレビや映画を見るとき、小説を読むとき、そこに出てくるエピソードから、人が持つさまざまな気持ちを学ぶことができます。
しかし最も効果があるのは、やはり人から直接聞く話です。思いもよらぬ生の気持ちが聞けて、人間を理解するうえで大いに役に立ちます。
相手からふともれ出てくる話は話題の宝庫
繊細で微妙な気持ちを想像するレッスンをもう一つしてみましょう。
たとえば「娘が芸術系の大学に合格したが、その学費に年間200万円かかる」という話を使って、話し手の女性の気持ちを想像してみます。
「うれしい」という気持ち。その反面「お金が大変」という気持ち。ここまでは誰でも想像がつくでしょう。
さらにもっと複雑な気持ちがあるはずですが、それは、さまざまな人の話をより多く、より深く聞く経験を重ねるうちに知ることができるようになります。
たとえば、「親が苦労しているのに、子どもがあまり感謝していないことに腹が立つ」という気持ち。
こういう気持ちは、子を持つ親ならば少なからず経験していることでしょう(もちろん、子の立場で経験している人もたくさんいますが)。
「娘さんには親の苦労やお金の心配をわかってほしいですよね」
微妙な気持ちに触れる話は、ほかの場面でも応用が利くのがいいところ。
たとえば上の例なら、上司と部下の話に置き換えたりできますね。
「上司の苦労や気遣いを部下にわかってもらいたいですよね」
人と会話するときに気持ちに焦点を当てて話を聞けば、ふともれ出てくる話がたくさんあります。共感と気持ちを想像する力でいろいろなエピソードや気持ちを引き出してください。
出てきた話はすべてがあなたの知識になり、いい話題になるのです。