朝はツナサンド、魚肉ソーセージ、ヨーグルトのいずれかでOK

早稲田大学名誉教授で広島大学医系科学研究科の柴田重信特任教授は「朝食を摂取しないことは、体に朝の時間を教えないこと」と話す。

「例えば朝起きて光だけ浴びて、昼まで何も食べないとすると中枢時計と末梢時計の足並みがそろわず、体内にズレが生じやすい。海外旅行に行かずして時差ぼけになっている状態。1週間の中で同じ時間に“光と朝食”をセットにした生活が増えるほど正しいリズムが刻めます」

体内時計はパフォーマンスだけでなく、健康にも大きく影響する。朝食欠食者は肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症のリスクが高くなることが明らかなのだ。

朝食の内容は脳のエネルギー源となる糖質(主食)と、体温を上げて、筋肉量を維持するタンパク質(卵、魚、納豆、肉など)のセットが望ましい。主食はごはんでもパンでもOKだが、魚油が体内時計をリセットする効果が高いことがわかっている。

お金も時間もなければ、朝はツナサンド、魚肉ソーセージ、ヨーグルト(できればバナナかキウイをプラスしたい!)のいずれかでもある程度のバランスが取れる。

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「ただ歩く」だけで健康効果が期待できる

(2)毎日8000歩以上歩く

ジムに通ったり、厳しいトレーニングをする必要はなく、「ただ歩く」だけでかなり多くの健康効果が望める。

アメリカ国立がん研究所の研究グループが「1日の歩数と死亡率の関係」を調べたところ、歩数が多いほど死亡率が低いことがわかっている。しかし1万歩以上はそれほど大きく死亡率に変化がない。逆に過度な疲労は免疫力低下のおそれがある。だから最大でも1万歩までがいい。

また食べたもの(摂取カロリー)は変わらなくても、消費カロリーは加齢とともに低下しやすく、年を取ると太りやすくなる。消費カロリー(正しくは「消費エネルギー」という)とは基礎代謝量(生命活動を維持するためじっとしていても消費されるエネルギー)と活動量を合わせたもので、摂取カロリーが消費カロリーを上回れば体重増に。管理栄養士の望月理恵子氏によると、

「体重60キロの男性の場合、1日の基礎代謝量の推定値は20代で1422キロカロリー、50代になると1308キロカロリーになります。若い頃と同じものを食べていると、日々あまったカロリーが積み重なって、およそ7000キロカロリーで体重1キロ増に。つまり、この男性の場合なら単純計算で61日で1キロ太ります。ですから年を取るほど動くことを意識し、活動量を上げていきましょう」

日々の余分なカロリーを消費し、メタボを予防するためにも歩くことが勧められるというわけだ。

1万歩はゆっくり歩くと100分かかる。時間がとれない人は「こまめに動く」のがお勧め。