手取り率は、上から99%、99%、99%、94%、95%となっています。

筆者作成

年収178万円の場合も、税金は0、特定扶養控除も復活し、国民健康保険料も基礎控除が増えた分、金額も下がってくるので、手取り169万円、手取り率95%まで回復します。

基礎控除等が178万円まで引き上げられたら、年収がそこに達するまでは、税金や保険料の負担は重くならないことがわかります。つまり、103万円の壁も、130万円の壁もなくなるのです。

これはアルバイトをしている学生のみなさんには朗報でしょう。

非課税枠ギリギリまで手取り率9割が維持される

本稿では、パートの主婦、扶養家族でアルバイトの子供、学生アルバイトと見てきました。壁が引き上がれば、どのケースでも178万円までは手取り率90%以上が確保されるので、非課税枠ギリギリまで働く人が多くなるのではないかと思われます。

財務省からは「基礎控除等を178万円まで引き上げると、国と地方で年間7.6兆円の減収になってしまう」という試算も発表されていますが、筆者の個人的な感想としては「10兆は超えないんだな」というのが正直なところです。定額減税は5兆円という話でしたが、その定額減税の結果、社会の仕組みが何か変わったかと考えると、ほとんど変わっていないですからね。

いずれにせよ、働く側にとってメリットが大きい政策であることには間違いありません。これまで働き控えしていた人たちが今よりたくさん働けるようになるわけですから、実現すれば人手不足も緩和され、社会が大きく変わりそうですね。

ただこのシミュレーションも、地域により年齢によって数字は変わってきます。その点はご了承ください。

今回、改めて国民民主党の政策パンフレットをじっくり読んだのですが、税金に関する公約が多いことが印象的でした。その中の一例ですが、「年少扶養控除復活」とか「暗号資産への申告分離課税導入(税率最大55%→20%)」といったものがあります。

国民民主党の発言力が強まることによって、これからの税制改正に大きな動きがあるかもしれません。何かわかりましたら、動画やプレジデントオンラインの記事で取り上げていきたいと考えています。

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