次のパンデミックに備えるため、働き方の多様性を保つ
そんなふうに症状がしんどいときは、仕事をゆっくり休める環境であってほしいですし、治まってからも、リモートワークなどを上手く利用しつつ、できるだけ感染を広げないようにする。それが、私たちがコロナのパンデミックで学んだことではないか、と思います。
新しいウイルス、もしくは細菌によるパンデミックは、いずれまた起きると考えられています。そのときには、新型コロナ発生時のように「受診できない人」や「入院できない人」が出るという地獄のような医療体制にはしたくありません。
そのためには、平常時から、いかに感染症のリスクをリダクション(縮小)するか。働き方でも、在宅でも仕事ができるという多様性を作っていく、もしくは保っていくということが大事になってきます。たとえ、他人にうつさないように出勤しなくても、会社からの評価や給料は下がらないという仕組みも必要ですよね。
ですから、現在、流行しているマイコプラズマ肺炎でも、流行期に入ったインフル冤罪でも、社会全体の感染リスクを少しでも減らしていこう。そう、皆さんが考え実行してくれたら、感染症の医師としては、うれしいですし、次のパンデミックのときにこの考え方が浸透していれば、みんながパッと素早く行動を切り替え、適切な対処ができると思います。