トリガー条項の凍結解除

ロシアによるウクライナへの侵攻以降、高騰したガソリン価格の問題についても、国民民主党は、いち早く対策を訴えていた。玉木が語る。

「2022年2月にロシアがウクライナに侵攻して以降は、自民党から共産党までガソリン価格の高騰対策を訴えていますが、わたしたちはその半年前の2021年10月の衆院選のときから公約に掲げています。

その時点から、新型コロナが落ち着いて需要が戻ってきたときに、ガソリン価格が高騰する可能性を危惧していたんです。衆院選のときから、トリガー条項の凍結解除を追加公約として掲げていたのもわれわれだけでした」

国民民主党は、2021年10月の衆院選の公約として、ガソリン価格の高騰にともなうトリガー条項の凍結解除を掲げていた。

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トリガー条項とは、ガソリン価格が3カ月連続で1リットルあたり160円を超えた場合、上乗せされている特例税率を停止してガソリン価格を25.1円引き下げる措置のことで、東日本大震災の復興財源確保を名目に2011年以降凍結されていた。

だが、国民民主党は、車への依存度の高い地方の生活を守るために、トリガー条項解除の必要性を訴えていた。その後、国民民主党は、2022年度の予算案に賛成。賛成する理由の一つとして、岸田総理が高騰を続ける原油、ガソリン対策として、トリガー条項の凍結解除も検討する意向を示したことを挙げた。

スピードで勝負をしないと生き残れない

このとき、国民民主党は原油、ガソリン価格の高騰対策で自公と実務者協議を開き、トリガー条項は凍結解除されなかったものの、補助金の大幅な拡充が決まった。玉木が振り返って語る。

「わたしは、財務省には補助金の拡充よりトリガー条項凍結解除のほうが結果的に安くつくという話をしていました。国政選挙のたびに消滅すると言われ続けてきた国民民主党ですが、少しずつ支持を拡大しながら、政策を一つひとつ実現しています。

小さい政党ですから、実績が報じられることは少ないのですが、そのいっぽうで、小所帯ゆえに意思決定は早い。小さいからこそスピードで勝負をしないと生き残れません。どういう政策が国民に必要とされているのか、アンテナを敏感に張って、政府にも岸田総理にもぶつけていきます」