なぜ霞が関から新しい知恵が出てこないのか

玉木は、国民民主党の目指すべき役割についても語った。

「国民のためになる政策を実現するために何がベストかを常に考えています。わたしも官僚をやっていたからわかりますが、残念ながら、いまの霞が関からは新しい知恵が出てこない。いまの官僚たちは政治主導の影響もあって、萎縮してしまいました。

民主党政権時代にも進みましたが、じつは政治主導が一番進んだのは、第2次安倍政権。内閣人事局ができて、人事を官邸が掌握したことが大きい。わたしが大蔵省に入ったときは、官僚が知恵も出してリスクも取っていましたが、いまは受け身になってしまった。

なぜなら、官邸のやることに変に口を出したり目立つことをしたりしたら、自分の首が飛ぶのを目の当たりにしたからです。これでは霞が関から積極的に政策のアイデアが出てきません。

では政治家から出てくるかと言えば、自民党は霞が関べったりで利害調整がメイン。業界団体の顔色をうかがって、しがらみを気にしていたら、大胆な予算の組み替えなどは絶対にできません。

国民民主党はしがらみにとらわれず、先手先手で必要な政策を訴えています。そういう役割を果たす野党はいままでありませんでしたから、新たな野党の役割も果たしていきたい」

国会議事堂
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国民民主党の目指す先

玉木は、党代表として2021年10月の衆院選と2022年7月の参院選を乗り越えてきた。2021年の衆院選では、事前の予想を覆し、現有8議席から11議席へと議席を伸ばした。

また、2022年の参院選では、改選7議席から5議席へと2議席減となったが、前年の衆院選と比べて、比例区での得票は315万票と50万票以上も増やすことに成功した。

玉木は、代表として、今後、国民民主党をどのようにしていきたいのか。

「国民民主党を大きくして、政界のキャスティングボートを握れるような政党にしたい。将来、与野党を超えた政界再編が起きたときに対応できるような一定の規模の政党に育てたいと考えています」

玉木は、党勢拡大の目標があるという。

「堅実かつ着実な目標としては、国政選挙のたびに2割ずつ比例区の得票を増やしていくことです。2年前の衆院選が259万票で、去年の参院選が315万票。次の衆院選で380万票、再来年の参院選で460万票、そして、次の次の衆院選で560万〜600万票。そうなると共産党や公明党と同じくらいの規模になる。

いま、あと3年間の代表の任期のうちに比例区で600万票前後の得票ができるような政党に成長させたいと思っています」