改善点を指摘したら、得意な点を2倍褒める

そして3つ目のポイント。これが何よりも大切なのですが、「キミには人よりもできること、得意なことがある」と伝えることです。

「あれは苦手かもしれないけれど、その代わりに、こんなすごいことができる」
「だから、こっちの得意なところを頑張ってみよう」

できることとできないことを、きちんと分離して、子どもにも理解させます。

かつて日本の学校教育には、ともすると「やればできる」「できないのは怠けているから」というような考え方が色濃くありました。昨今、だいぶ薄くなったとはいえ、そうした風潮が完全になくなったわけではありません。

その中で、“できない自分”を責めたりしないようにする必要があるからです。100回改善点の指摘をしたら、200回は得意なことの指摘をするようにしました。

ただ実際には、私もそんなに上手く褒められていないと思います。あくまでも“自分の気持ちの中では”です。

担任の先生とも綿密なコミュニケーション

息子への告知と同じように、学校や担任の先生にも、息子の特性や状況について伝えるようにしました。

ほぼ毎日発生した困り事は、忘れ物や提出物の出し忘れ、授業中イスに座っていられない、教室をふらっと抜け出してどこかへ行ってしまう。上履きを履くことを嫌がりいつも裸足でウロウロするため怪我の心配もありました。

それに対応する手段の1つとして、小学1年生の時は、担任の先生と毎日のように電話をしていました。

赤平大『たった3つのMBA戦略を使ったら発達障害の息子が麻布中学に合格した話。』(飛鳥新社)

「赤平さん、明日はこの授業とこの授業があるので、コレを忘れないようにお願いします!」
「わかりました。ところで、今日は学校に何か忘れ物していませんか?」
「このプリントはおうちに持ち帰っていますか?」
「ないですね……。今から取りに行きます!」

学校の先生はとんでもなく多忙なのに、息子への対応も優しく、私への対処も細やかで、小学校6年間でお世話になった先生方には感謝しかありません。

こんなことが毎日のように繰り返されて、最終的には私が息子を学校まで送り迎えすることが日課になりました。結局忘れ物を取りに行くことになるのですから、迎えに行くのと変わらない……と気づいたのです。

ただ今振り返れば、毎日の息子との登下校は楽しく会話をしたりできる貴重な思い出の時間となりました。

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