「どうしてもやりたい」なら真正面から取り組むべき

この「どうしてもやりたいからやるんだ」という強烈な思いが大切になるのは、技術開発や新規事業だけではありません。充実した日々を歩んでいこうとすれば、そのような強烈な思いが不可欠になるのです。

たとえば、多くの高校球児たちが「どうしても甲子園に行きたい」と炎天下で練習に明け暮れています。また、自分の夢をどうしても実現したいと、幾多の困難があるのを承知のうえで大企業を離れ、ベンチャー企業を創業する若者も多数います。

私自身も高校生のときに、大学進学後は「どうしても世界一周をし、世界を知りたい」と強く思い、自分なりに周到な準備をして実現させることができました。

大田嘉仁『運命をひらく生き方ノート』(致知出版社)

京セラに入社し、10年近くたったとき、どうしてももっと経営について学びたいと願い、準備をし、社費で米国の経営大学院に留学させてもらい、幸運にも首席で卒業することもできました。

その過程は、外から見ると、苦労の連続のように見えるかもしれませんが、本人からすれば、最も充実した日々なのです。

そのような「どうしてもやりたい」ことを見つけることが大切だという人もいますが、それは探すものではなく、心の中から湧き出てくるものでしょう。

「どうしてもやりたい」という思いが心の中に生まれてきたときに、それに真正面から取り組むことが必要なのであり、稲盛さんの多くの言葉もそれを示唆しているように思います。

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