ちぐはぐな答弁とステーキ発言は失態だった

ただし、同じ記者会見で進次郎は失態を演じている。海外の記者から「今後1年で石炭火力発電を日本はどう減らしていくのか」と聞かれた際に、上を向いて考えながら「削減します」とだけ答え、「どうやって?」と聞かれるとしばし答えに窮した後、「政府全体として削減していくと表明している」とちぐはぐな答弁を続けた。

また、「ニューヨークで何が食べたいか」との記者の質問に、進次郎は「やっぱりステーキを食べたいですね」「毎日でも食べたいね」と語って実際にステーキレストランに行った。

しかし、牛が排出するメタンガスが地球温暖化の原因になっていることは気候変動を学んだ誰もが知っている常識であり、「ステーキを食べる」と発言すること自体が気候変動への意識が低い、学んでいないと思われても仕方ない。

この発言を問題視した記者から「環境省のトップとしてどうお考えか」とその発言の真意を問われると、進次郎は「ステーキと気候変動がニュースになるなら、それだけでも日本の中で環境問題を考えるよいきっかけになるなと思いますね」と答え、「好きなものを食べたいときありません?」と逆質問をして「そういうことを聞いているのではなく……」と記者団から失笑を買った。

本人も環境省も準備不足が否めない

進次郎は環境省のトップとしては明らかに準備不足で国連の会議に臨んだ。また、それは環境省自体もそうだったのかもしれない。

通常、新大臣の就任直後は、各省庁で事務方が綿密なレクチャーを行い、大臣が誤った情報を発信しないよう細心の注意が払われる。もし大臣が会見中に誤った情報を話せば、事務方がメモを入れたり会見直後、記者に再度説明したりして問題とならないようにする。

しかし進次郎の場合、当代きっての人気者で、事務方が押し寄せるメディアへの対応に慣れていなかった。つまり進次郎にお任せ状態になってしまっていた。少なくとも新任の大臣が石炭火力発電の削減案を記者に聞かれて言葉に詰まったなら、ふつう事務方はメモを入れるし、ステーキを食べにいこうとしたら事務方が制止するだろう。