謹厳実直な石破首相に「不穏な噂」
森山幹事長は大臣に旧自派閥や親しい人間を入閣させるなど、今や、「安倍―菅政権の二階俊博幹事長を超える可能性すらある」(同)と囁かれているそうである。
裏金議員を非公認にすることは、森山幹事長が慎重だったにもかかわらず石破首相が“ぶち切れて”強行したといわれるそうだが、あまりの自分の不甲斐なさにヤケクソになったのでなければいいのだが。
さらに、石破首相から総務会長就任を求められたが固辞した高市早苗氏が、選挙結果によっては党を割って新党をつくるという不穏な噂が永田町で駆け回っているといわれる。
選挙後に、石破首相は本格的な正念場を迎えることになりそうである。
一言居士、謹厳実直そうに見える石破首相だが、私生活でも不穏な噂があると文春(10月10日号)が報じている。
文春によれば“寄り添った”女性の噂はいくつかあったらしい。銀座のクラブのママに入れ込み通いつめていたという。
さらに美人と噂の高い秘書・吉村麻央氏との“関係”は、永田町ではつとに有名らしい。
20年以上政策秘書を務め、今回石破氏が総理になったことで彼女を総理秘書官に抜擢した。口さがない永田町雀は喧しいようだが、石破氏本人は文春の直撃に、「(男女関係など=筆者注)全くない。二十何年ですよ? 仮に何かあったとしたら、それは分かるって」と取り合わない。
だが、新ファーストレディになった妻の佳子氏は、少々ニュアンスが違う。
党内野党でいたから輝ける人だったのでは
――秘書の吉村氏が愛人だと書かれたこともある。
「早い話、書かれることは気持ちよくないですよ。ただ他の先生でも、女性スタッフと一緒に行動していると週刊誌に書かれるでしょ? もちろん石破も気をつける必要はある」
そうは答えたが、
――疑ったことはない?
「疑ったことは……疑えばキリがないんじゃない?」
そして記者にこういったという。
「逆に何かおかしいことあったら教えてね。『ちょっと奥さん、危ないですよ! すぐに東京に来てください』って(笑)」
就任早々、こうした噂が流出するのは、何らかの政治的な意図がある。それが永田町の常識であると雑誌屋の私は思っている。
石破首相が切望し、臥薪嘗胆の末に手に入れた首相の座は、彼が考えていたほど座り心地のいいものではなく、針の筵と化しているようである。
「やはり野におけ蓮華草」。石破茂という人は、党内野党でいたから輝いたのであって、自分から光を放つ存在ではなかったようである。
石破政権は短命に終わる。永田町雀やメディアの多くはそう見ている。石破首相がその見方を覆すためには、言葉だけではなく、“国民の皆さま”が真に納得と共感ができる政をするのかどうかにかかっている。