ただの私立学校と侮ってはいけない

天皇家の愛子さまは、幼稚園から大学までを学習院で学ばれています。成年を迎えたばかりの悠仁さまと比較するのは酷かもしれませんが、学習院で教育を受けた点では、皇族としての自覚をお持ちなのは愛子さまの方ではないでしょうか。

加えて学習院女子で学ばれた「奉仕の心」が、日本赤十字に就職されるきっかけになったはずです。歴代皇后が名誉総裁を務められる組織へのご就職は、皇族としてのノブレス・オブリージュによる進路だったことでしょう。

愛子さまのこうしたご様子、宮内庁インスタグラムで話題になった、御料牧場でタケノコ堀りにご一家でいそしまれるお姿を見て「自分の娘は学習院に進学させたい」と考える保護者は、卒業生はもとより、学習院出身ではない父兄の間にも広がっている印象があります。

学習院大学(写真=Nesnad/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons

いっぽう、悠仁さまが進学されたことを理由に、お茶の水女子大附属小・中や、筑波大附属高に息子を進学させたい、という声を私は聞いたことがありません。「未来の天皇」が学習院へ行かなかったことには教育上、やはり無理があったのです。

皇族としての最善の道

愛子さま「天皇待望論」もあります。悠仁さまと、どちらが天皇にふさわしいのか。女性が天皇になることについて、国の議論も方向性が見えない中、私ごときが言うのは僭越ではありますが、歴史をさかのぼれば女性の天皇も存在していたのに、現代ではなぜ女性ではダメなのでしょうか。人気のNHK朝ドラ「虎に翼」で流行語になった「はて?」が思い浮かびます。

このことはともかく、「天皇になるために、学習院で教育を受ける」機会を、悠仁さまには今からでも取り戻して頂きたいと思います。研究者とトンボ論文を共著された悠仁さまであれば、たとえ学習院大学に進もうとも、ご自身が望めば、どんな大学からも優秀な研究者が来て、ご指導をされるでしょう。

昭和天皇、上皇陛下、秋篠宮さまもご自身の生物の研究を、大学で学ばれたわけではなく、国内選りすぐりの学者から手ほどきを受けていたはずです。これもある種の「皇室特権」かもしれませんが、同じように考えれば、悠仁さまにとって実は大学名は関係ない、ならば学習院に進んでいただくのが、皇族として現時点では最善の道ではないでしょうか。

幸いなことに、今は理学部に生命科学科があります。他校では学べなかった、皇族としての矜持を学習院で身に着けて頂くことが、成年皇族として真っ先に必要なことと思います。

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