返礼品やポータルサイトはどう選ぶ?

24年現在で、私がおすすめする返礼品のジャンルは明太子やハンバーグ、缶詰やバター、チーズのような加工食品です。前ページのQ&Aにもある通り、返礼品の金額はあくまで「商品の調達にかかった原価」で計算されるため、加工食品を提供する事業者が味付けや加工の手間などにかかる経費をサービスすることで、お得になっているものが多数あります。

また、細かいところでは事業者が負担している返礼品の経費を意識していくと、さらにお得にふるさと納税を活用できると思います。たとえば、お米やジュースといった重量のある商品や、要冷蔵、要冷凍などで特殊な配送が必要になる商品などは、送料の占める割合がどうしても大きくなってしまうため、寄付額が小さい場合はコスパが悪くなってしまいがちです。少額の寄付を多くの市区町村に行うよりも、ある程度まとまった額を寄付したほうが、トータルでは満足度の高いふるさと納税になると思います。

そして、ポータルサイトによってもそれぞれの色があるため、自分に合ったサイトを見つけることで、さらにお得にふるさと納税を利用できるでしょう。たとえば、普段から楽天市場で買い物をしており、各種サービスを活用して楽天のポイント還元率を高めている方にとっては「楽天ふるさと納税」が第一候補になりますが、普段あまりインターネット通販を利用しない方にとっては煩雑な条件のない「ふるなび」や「マイナビふるさと納税」のキャンペーンを狙ったほうがトータルではお得になる可能性が高いです。

一方で、「さとふる」のように、ポータルサイト自体が返礼品の管理や発送を市区町村に代わって行っているサイトもあります。管理の手数料がかかっているぶんだけ返礼品の内容量は少ない傾向にありますが、発送は通常のふるさと納税よりも早い傾向にあり、スケジュールに合わせて返礼品を入手しやすいというメリットもあります。

こうした違いに着目しながら返礼品やポータルサイトに対する横の比較を行うことで、ふるさと納税をさらに楽しく活用できるでしょう。

最後に、ポータルサイトを運営していた私の経験から、ひとつ注意を。ふるさと納税の申し込みを行って返礼品が届いた時点で安心してしまうのか、確定申告やワンストップ特例制度の申し込みを行わない方が毎年一定数いる印象です。これは割高で商品を買って、市区町村に寄付をしたことになってしまうため、非常にもったいない行為です。返礼品が来ても油断せず、書類を出すまでがふるさと納税だということを忘れないようにしましょう。