「マイナンバーカード」で人気が低下している

安倍派の「裏金」議員をめぐる問題では、石破が選挙で公認しないことを示唆する一方、河野は不記載額の返還を求めている。

しかし、誰に、どのような形で返還するのか、詳細が不明であり、そもそも旧安倍派からの反発は必至だ。

さらには、河野がデジタル大臣として進めてきた「マイナンバーカード」も不評だ。多くのメリットはあるが、使い勝手の悪さなどさまざまな問題も指摘されている。

マイナンバーカードの導入にともない、従来の健康保険証を今年の年末に廃止する方針についても反発が多く、他の候補者の中には延期論を唱えるものもいる。

河野の最大の課題は「人気の低下」である。ワクチン担当大臣として行政手腕を評価されたのももはや昔の話だ。小泉や小林のような若手が参戦したことによって、「若手」をアピールできなくなったことも痛い。

優秀なのにパッとしない林芳正、茂木敏充、加藤勝信

私は林芳正とは福田内閣と麻生内閣で、また茂木敏充とは福田内閣で、共に閣僚を務めた仲である。

3人とも、東京大学卒で、さまざまな分野の政策に通暁つうぎょうしている。

また加藤は大蔵官僚出身であり、やはり政策には明るい。

とくに林は器用な人材で、多くの分野の諸問題を処理する能力に長けている。不祥事などで別の大臣が辞任したときに、ピンチヒッターとして登板することが多かった。そのため、誕生日の1月19日にちなんで、困ったときの「119番」と呼ばれることがある。また、高祖父以来の政治家一家というサラブレッドでもある。

写真=iStock.com/gyro
困ったときの「119番」と呼ばれることがある(※写真はイメージです)