「無添加」とは何が「添加されていない」のか?
たとえば、シャンプーや化粧品でよく見る言葉に「無添加」というものがあります。
「無添加」と書かれていると、なんとなく肌や髪の毛に良さそうというイメージがわいてきます。「余計なものが使われていなくて、肌や髪の毛にやさしそう」と感じて、つい、手にとってしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし「無添加」とは、何が「添加されていない」のかご存じですか?
そもそも「無添加化粧品」の定義など存在しないのですが、「表示指定成分が含まれていない」という意味で使われることがあります。
表示指定成分とは、「アレルギーなどの皮膚障害を起こす恐れのある成分」などのことです。
42年前の基準が使われている
「無添加は、危険な成分が使われていないという意味だから、やっぱり安心でしょう?」
そう考えるかもしれませんが、ちょっと待ってください。この表示指定成分が定められたのは、1980年の話。当時の厚生省(現厚生労働省)が定めたのです。
この42年間に、どれだけ新しい成分が開発されたでしょうか。1980年には存在していなかったけれど、そのあとに開発された成分が、表示指定成分よりもっと危険だったとしても、それは、「表示指定成分」としては定められていないのです。
それでも、製品には「無添加」と表示できるのですから、これは、とても恐ろしいことだと思いませんか。
実際、化粧品に使われる成分は、5000種類以上も存在すると言われています。そのなかで、表示指定成分に定められているのは、わずか103種類。あまりにも少なすぎます。
「無添加」と書かれていても油断できない。テレビCMや広告の情報をうのみにできない。
何よりイメージ戦略にだまされてはいけないということが、よくわかっていただけると思います。