水虫にはさまざまな種類がある
蒸し暑い季節になりました。ふと気になる足のかゆみや違和感はありませんか。
「かゆくないけど、足指の間の皮膚がポロポロとむけている」「爪が変色して割れている」など、これはもしかすると水虫かもと思われたご経験をされた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
一般的に水虫と呼ばれている病気は、カビ(真菌)の仲間である白癬菌が皮膚の角質層に寄生して生じるもののうち、手や足にみられるものを主に指しています。ひと言に水虫といっても症状によっていくつかに分類されます。主に、足の指の間がふやけた状態になり、じくじくと皮膚がむけたりしてかゆみを伴う指間型、土踏まずや足の縁に小さな水疱ができ強いかゆみを伴う小水疱型、痛みもかゆみもないが足の裏全体が硬くなりひび割れたような状態になる角質増殖型、爪が黄白色に変色し、先が薄くなって割れることもある爪水虫(爪白癬)があります。
日本人の6人に1人が水虫を持っている
日本臨床皮膚科医会が2023年に実施した足白癬・爪白癬に関する全国疫学調査によると、参加患者1万4588例のうち、足白癬(足白癬とは、爪水虫以外の水虫のことを指す)または爪白癬のいずれかの症状が認められた患者は3310例/22.7%(男性 29.0%、女性 17.8%)でした。足白癬だけでは2659例/18.2%(男性 24.6%、女性 13.3%)、爪白癬については1530例/10.5%(男性 13.5%、女性 8.4%)と、日本人の6人に1人が足に白癬を持っていることがわかりました(畑康樹、上田純嗣、服部尚子ほか「足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率の大規模疫学調査(Foof Check 2023)第1報」日臨皮会誌:41(1)、066-076、2024)。
性別では、女性よりも男性の頻度が1.6倍〜1.8倍多く、年齢とともに罹患者数は増え、70歳以上では男性で約3割、女性においては約2割が水虫(白癬)に罹患していることもわかっています。昨今、糖尿病の罹患者(疑い含む)は5〜6人に1人と言われていますので、同じくらいの割合で足に白癬を持った患者さんがいることになります。どうでしょう、想像していたより多くの方が水虫を持っているように思いませんか。
今回は、4月ごろから増え始め7月ごろにピークをむかえる水虫の感染対策と対処法についてお話しさせていただきます。