慢性的に高血糖になるのが「糖尿病」
糖尿病は、血糖値をコントロールするホルモンの一つであるインスリンが分泌されなくなる、または働きにくくなることで、糖が細胞に取り込まれなくなって慢性的に高血糖になる病気です。先天的にインスリンをつくることができない1型糖尿病と後天的な原因によってインスリンの分泌が低下してしまう2型糖尿病があります。
本来、インスリンは食事に関わらず24時間分泌される基礎分泌と食後の血糖値上昇に合わせて分泌される追加分泌の2つの方法で分泌されています。ところが、糖尿病患者さんでは、基礎分泌の低下によって空腹時の血糖値が高くなったり、追加分泌の低下によって食後血糖値がぐっと高くなったりします。2型糖尿病では、発症前/初期からも食後高血糖が見られるのが一般的であり、病気の進行とともに、より基礎分泌が低下し空腹時にも高血糖が認められるようになります。
治療法はさまざまありますが、作用時間の異なるインスリン製剤や作用機序の異なる内服薬を組み合わせて良好な血糖値を保てるよう治療が行われます。
糖尿病の可能性が否定できない人は約1400万人
2016年の厚労省による調査では、へモグロビンA1cが6.5%以上(糖尿病型と判断される数値)または、糖尿病治療経験がある糖尿病が強く疑われる人は約1400万人、へモグロビンA1cが6.0以上6.5%未満の糖尿病の可能性が否定できない人(糖尿病が強く疑われる人を除く)も同様に約1400万人いることが分かっています(厚生労働省「平成28年 国民健康・栄養調査報告」第31表より、2017年)。
健康診断で糖尿病と診断されるほど血糖値は高くないけれど、正常よりは少し高いですねと言われた経験がある方も少なくないのではないでしょうか。糖尿病の診断には空腹時血糖値とヘモグロビンの糖化状態をみるヘモグロビンA1cの測定、75g経口ブドウ糖負荷試験などが用いられます。医学的に、空腹時血糖値が110~125mg/dLの方やブドウ糖負荷試験にて負荷後2時間血糖値が140~200mg/dL未満の方は境界型とされ糖尿病に準ずる状態とされています。