今年1~3月の不正利用は112億円
毎月の利用明細書の郵送をやめるクレジット会社が増えたことで、利用明細の確認をする機会が減ったという人が増えています。私の知り合いは、自分がクレジットカードで数カ月間にわたって定期的に1000円ちょっとの買い物があることに気がつき、調べてもらったところ、不正利用だということがわかりました。額も1000円ちょっとと絶妙なだけに、気がつかなかったそうです。クレジット会社のホームページなどにも、同様の少額不正利用の事例が多く紹介されています。
日本クレジット協会の調べでは、番号を盗用されたことによる不正利用の被害額は23年には約540.9億円と15年前と比べ300億円以上増加。今年も1〜3月だけで112億円にものぼっています。クレジットカードを店頭のカウンターに置きっぱなしにして情報を盗まれないようにしたり、毎月利用明細をチェックする習慣を付けることも大切です。
光熱費を使う給湯を見直してみる
家庭でもっとも多くエネルギーを使うのは、意外な器具。エアコンでも乾燥機でもありません。実は給湯器なのです。これだけで家庭の3割のエネルギーを消費するといわれる家庭内最大のエネルギー消費源です。
それだけに、給湯を見直すことで、大きな節約も期待できます。水と湯とでは、コストに3倍もの違いが生まれることもあり、湯を節約することが重要な節約ポイントになります。たとえば給湯の温度設定を40℃から37℃に変更するだけで、年間で1776円の節約になるのです(冷房期間を除く253日間で、1日2回手洗いしたとして東京ガスが算出)。
またシャワーは、16分間使い続けるだけで、浴槽がいっぱいになるほど意外に大量のお湯を使います。シャワーの時間を1日1分少なくするだけで、水道代とガス代を合わせ年間3000円もの節約になるといわれています。
シャワーの節約でおすすめなのが、節水機能のあるシャワーヘッドへの交換です。特にお湯を止めるボタンが手元についたタイプが便利です。シャワーの穴を工夫して、少ないお湯でも勢いのあるシャワーを浴びることができる節水シャワーが、各種売られています。数千円から購入できる安さも魅力で、交換も簡単。1人5分ずつ家族4人が毎日シャワーを使用した場合、普通のシャワーヘッドを使った場合と比較して水道代とガス代を合わせて、9704円の節約ができるという東京ガスの試算もあります。
ちなみに夏も浴槽にお湯を張って入る習慣のある方は、水を追い焚きするより、給湯器からダイレクトにお湯を入れたほう安いことを知っておいてください。水道代の負担は増えますが、翌日の追い焚きは衛生面も問題があのであまりおすすめできません。
なお給湯器のスイッチをこまめに切ることは、あまり節約になりません。給湯電源が点いていてもお湯を出さければガス代はかからず、かかるのは給湯パネルの待機電力のみだからです。ただ、水栓の構造では使つもりがなくてもうっかりお湯を出してしまうこともあるので、水栓のレバーを必ず水側にするか給湯の電源を切っておいたほが安心でしょう。
※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年9月13日号)の一部を再編集したものです。