子供を首都圏など都心部の大学に進学させたいなら

とはいえ、生活費の構成は世帯によってさまざまです。子供がいる家庭であれば、どのような教育を受けさせたいかによって、教育費(授業代、塾代、習い事など)に違いが出ます。どこに住もうと子供が将来しっかり稼げる人になってもらいたいと親は考えるはずで、子供の稼ぎのベースは学歴と考える方が多いかもしれません。

前出の賃金構造統計調査では学歴別の賃金も公表しています。同じ年齢階級であれば高学歴のほうが賃金は多くなっています。

筆者はファイナンシャル・プランナーとしても活動しており、相談を受けています。子育て世代から寄せられる主な内容は、大学など高等教育の費用の工面について。相対的に低い地方暮らしの世帯収入の中で、いかに教育費を賄えばいいか、というものです。

将来的に子供を首都圏など都心部の大学に進学させたいのであれば、居住地で進学させるより子供の生活費や仕送り費などがかさみます。その備えを作りたいのであれば、給料や時給が低いと想像される、のどかすぎるエリアへの移住は回避したほうが無難でしょう。

文部科学省「学校基本調査」(令和5年)の都道府県別の大学短大進学率を見ると、図表3のような結果となっています。50%未満は、東日本では岩手、秋田、山形、西日本では山口、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄。私の住む東北の県は50%を少し超えていました。この値は、それぞれの都道府県にどれだけの数の大学短大があるかで違いがあるでしょう。東京都や京都府の値が非常に高いのはそのような理由だと解釈しています。

出典=令和5年 学校基本調査結果を用いて筆者算出