「金利0.66%で15年」は得か、損か

たとえば、オリックス銀行の「eダイレクト預金」なら1年定期預金金利が0.4%ですし、7年定期預金で0.65%の金利を手に入れることができます。一般的な定期預金ですから、中途解約時には、預入日から解約日の前日までの日数および預入期間に応じた利率で計算された利息が付き、元本割れすることはありません。

ただし、今後15年間、市場金利が今の水準より高くなることがなければ、0.661%が15年間延長されることによって、楽天エクステ預金(フラット)のほうが結果的にお得になる可能性もあります。

しかし、楽天エクステ預金(フラット)の説明書には「市場環境等により予告なく金利の変更、またはお取扱いの中止をすることがあります」との一文があり、思惑通りにいくとは限りません。市場金利が低く推移する中、わざわざ高めの金利を提供し続けるとは考えにくいです。

金融商品の説明書には必ず目を通す

一方、一般的な定期預金の場合、満期時に市場金利が上昇していれば、より高金利の定期預金に預け替えができますし、満期まで待たずに中途解約して、もっと高金利の定期預金に乗り換えることも可能です。

しかし、先の説明書には「延長するかどうかを銀行が判断する時点における市場金利が延長後の金利(この場合0.661%:筆者注)より高い場合、期間を延長する可能性が高くなります」との一文もあり、そうなると、高い金利への預け替えを諦めなくてはなりません。

たとえば、2019年12月19日~2020年1月8日のキャンペーンでは、楽天エクステ預金(フラット)の最長15年の金利は0.170%でした。もし今も延長を繰り返しているとすれば、当時この金利に魅かれて預けたお金は、高金利となった現在の定期預金に預け替える道が閉ざされています。

これはあくまでも一例ですが、「お得そうだな」と思う金融商品に出会ったら、必ず説明書を読み込んで、どんなリスクがあるのか、そのリスクをとるのにふさわしいリターン(例えば金利とその期間)かどうかを検討するようにしてください。そのうえで、

「どこをどう見渡しても得られないほどの高金利だし、このくらいのリスクは許容範囲」「自分の大事なお金を、この程度の金利で長期間縛られるのは割に合わない」

など、自分なりの結論を導くことが何より大切です。