誹謗中傷コメントも「客観的に捉える」

寝ているときはもちろんだけれど、食事をしているときも基本的にバレーボールのことは考えないようにしている。

そういうと、「じゃあ、それ以外の時間はずっとバレーボールのことを考えているの?」と思われるかもしれないが、答えは「イエス」でもあり「ノー」でもある。

繰り返すようだけれど、僕はバレーボールが好きなので、バレーボールのことを考える時間も好きだし、必要だ。

考えようと思えば1日中考えることもできるけれど、たまにはリラックスする時間もほしい。

そういうときはバレーボールとは関係のない動画を見たり、アニメを見たり、日常生活でも、「こうしなければならない」というルールを設けないようにしている。

イタリアでも試合のたびに移動があり、日本代表の活動でも移動時間が長いことはよくある。

その時間を、僕は動画を見たり、睡眠に充てたりしているけれど、周りの選手たちも、スマートフォンやタブレットで映像や動画を見ているようだ。

SNSに対して積極的な選手もいるが、僕はそれなりにやりつつも、基本的には距離を保つようにしている。

石川祐希『頂を目指して』(徳間書店)

いろいろな人からの意見も目にはするけれど、客観的に捉えるタイプだ。

大きな大会や、注目を浴びる大会になればなるほど、誹謗中傷が向けられることも多い。そうなれば当然、僕自身も目に入ることもある。

そこに書かれていることが事実であろうとなかろうと、見るだけで不快な思いをするからシャットアウトしているという人もいるけれど、僕はそれも意識しないようにしている。

見るときは見るし、見ないときは見ないというスタンスだ。

スマホは寝室には絶対に持ち込まない

それでもたまに目に入る言葉のなかには、ときどきプレーに対して、「今日はスパイクが全然決まっていなかった」と書かれることもある。

「たしかにそうだな」と思う日は、それに対して納得することもあるし、「もっとがんばろう」「パフォーマンスを上げよう」と思うこともある。

感情的なところで何かをいわれていたり、僕たちがどんな考えをもってやっているかということを無視して勝手に論じられたりして、「少し違うよな」と思うこともあるが、「へー、そう思うのか」と客観的に捉えているので、気にすることはほとんどない。

寝る直前や起きてすぐにスマートフォンに触って、SNSをチェックしている選手もいるけれど、僕はやらない。

写真=iStock.com/spyarm
※写真はイメージです

日本代表の合宿や遠征中は例外もあるけれど、イタリアで生活しているときは、そもそも寝室にスマートフォンを持ち込まない。

寝る前は本を読んだり、イタリア語の勉強をしたりしている。

朝も目覚まし時計を使って、設定した時間になったら、すぐに起きて朝のいろいろな準備をするようにしている。

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