ルーティンはあえてつくらない

身体をつくるために、食事と同じぐらいに大切なのが睡眠だと考えている。

どれだけいい練習をして、食事が摂れていたとしても、睡眠が不十分だったり、質のいいものでなければ、それらは生かされない。

できれば睡眠は1日8時間とるようにしているけれど、アウェイゲームのあとは試合を終えてから移動するので、場所によってはミラノに戻ってくるのが朝方になることもある。

ホームゲームでも、イタリアリーグは試合開始時間が遅く、土日は18時か19時ごろから始まるのに対して、平日は20時や20時半から試合が始まるので、フルセットになると試合が終わった時点ですでに0時近くになることもある。

そこからクールダウンをして、食事を摂って、シャワーやストレッチ、膝に低周波治療器を当てるセルフケアを行うと、深夜2時を過ぎることもある。

そういうときは多少睡眠時間を削ることもあるし、翌日がオフならば朝食を摂らずに睡眠を優先することもある。

こうしなければならないと日頃からルーティン化してしまうと、できなかったときに「あれができなかったからダメだ」と考えてしまいがちなので、僕の場合はあえてルーティンをつくらない。

世界のトップ選手は身体づくりを意識している

食事も生活もバランスが大切。たとえ睡眠が十分にとれなかった日があったとしても、次の日にリカバリーするなど、自分でうまく調整する力も大切だ。

学生のころと違うのは、学生時代は授業があって、部活としてバレーボールをしていたので、自由な時間は限られていた。

とくに1、2年生のころは履修しなければならない単位数も多いので、当然、授業数も多い。

身体のことを考えれば、もっと休まなければと思っても、練習の準備や片付けもあって、睡眠時間が削られてしまうことも多かった。

若いときはそれでもいいかもしれないが、しっかりと身体を休ませることは大切だ。

イタリアをはじめ、ヨーロッパでプレーする外国籍選手の中には、10代からプロ選手として活動、活躍している選手も多い。

そういった世界のトップ選手とプレーしていると、技術が磨かれていくだけでなく、身体づくりに対する意識や注がれている時間にも目がいくようになった。

学生時代は食事や身体づくりを意識するといっても限界があるかもしれない。それならまずは、できることから意識して行動するようにしても損はないはずだ。