人の商い、うらやむべからず

3つ目の格言は「頭と尻尾はくれてやれ」です。投資初心者にありがちなのが、大底で買おう、天井で売ろうと思って下落局面や上昇局面で動かず、結局株価が元に戻って利益がなくなってしまった……というパターン。頭と尻尾、つまり最高値や最低値は狙わずに、ある程度利益が出そうなところで売買するのが得策だと心得ておいてほしいと思います。

「人の商い、うらやむべからず」も有名な格言です。SNSをやっていると投資で大儲けした人の話を目にすると思いますが、悔しいとか自分もそうなりたいとか、そんな感情的な動機で行動すると必ずと言っていいほど失敗します。人のではなく自分の投資にフォーカスして、それ以外の情報はノイズだと思ってください。

儲けた人の話を見聞きしたときに冷静でいられないなら、SNSなんて見ないほうがいいでしょう。僕も経験していますが、冷静ではないときにした判断は後から振り返るとろくでもないことがほとんどです。これは投資だけでなく、ビジネスや人生においても同じだと思います。

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「人は人、自分は自分」を貫いて

では、どうすれば「人の商い」に振り回されずに済むのか。自分は成功しているのか、幸せなのかといったことを判断しようとすると、通常は何かと比較して結論を出すことになります。そのときに他人と自分を比べる人も多いと思いますが、僕は基本的に「過去の自分と今の自分」を比べるようにしています。

例えば投資ですごく儲かったとしても、それが自分の予測や考えとは違う形で出た儲けだったら、僕はあまりハッピーじゃない。「ただラッキーだっただけじゃん」と思ってしまいます。

逆に、自分のシナリオ通りにことが進んだときは少額でも儲けが出たらすごくうれしいですし、損失が出ても仕方ないと納得します。僕の場合は、人が儲けたかどうかより自分が以前より成長したかどうかのほうが大事。正直、他人はどうでもいいというか、あまり興味がないんです(笑)。

もちろん、儲かったという話を聞けば「よかったね」とは思いますが、それに対してうらやましいとか、俺もやってやるぞといったことはまったく思いません。人は人、自分は自分。これは投資に限らず、人生全般において強く意識しています。