マグネシウムやカルシウムが不足するとイライラ…

また、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛が不足すると、免疫機能が低下し、風邪や感染症にかかりやすくなります。そのことが原因で、長期休暇明けに学校に行くと、集団生活に戻ることで体調を崩しやすくなります。

情緒不安定でイライラしがちになるのは、マグネシウムやカルシウムが不足しているからかもしれません。神経系のバランスが崩れ、学校生活への適応が困難になって不登校につながる可能性があります。

食物繊維や水分摂取が不足すると、消化機能が低下し、便秘や消化不良が生じやすくなります。これにより、腹部の不快感や食欲不振が生じ、学校でのパフォーマンスに影響を与えることがあります。

夏休み中に染みついた「7つの悪習慣」

こうした体調不良を引き起こさないためには、次に挙げる「7つの悪習慣」を改める必要があります。

1.不規則な食事時間

食事時間が不規則になることで、体内時計が乱れ、睡眠リズムや集中力が低下します。

Chrono-Nutrition: Circadian Rhythm and Personalized Nutrition:Marica Franzago et al. Int J Mol Sci. 2023 Feb; 24(3): 2571.

2.朝食の欠食

朝食を摂らない習慣がつくことで、体重の増加や肥満、エネルギー不足や集中力の低下を招き、不登校のリスクが増大します。

Chrono-Nutrition: The Relationship between Time-of-Day Energy and Macronutrient Intake and Children’s Body Weight Status:Sofia Vilela. Journal of Biological RhythmsVolume 34, Issue 3, June 2019, Pages 332-342

3.栄養素のバランスの崩れ

ファストフードや高脂肪食といった偏った食事を続けることで、ビタミンやミネラルの不足が生じ、心身の健康に悪影響を与えます。

4.過剰な糖質の摂取

糖分の多いお菓子や飲み物を過剰に摂取することで、血糖値の急上昇と急下降が繰り返され、情緒不安定や疲労感を引き起こします。

5.ビタミンおよびミネラル不足

野菜や果物が不足した食生活が続くと、ビタミンやミネラルが不足しやすくなります。これにより、免疫力の低下、疲労感、精神的不調などが生じやすくなります。特に、先ほど紹介したようにビタミンD、B群、鉄、亜鉛などの栄養素は、精神的な健康に重要な役割を果たしています。これらの不足が、鬱や不安を引き起こすリスクを高めるとされています。

6.水分不足

水分摂取が不十分だと、軽度の脱水状態が続き、認知機能や気分に悪影響を及ぼします。これが学校生活に戻った際の適応障害につながることがあります。水分不足が集中力の低下や気分の変調を引き起こすことは、多くの研究で示されています。

Effects of Dehydration and Rehydration on Cognitive Performance and Mood among Male College Students in Cangzhou, China: A Self-Controlled Trial:Na Zhang. Int J Environ Res Public Health. 2019 Jun; 16(11): 1891.

7.ジャンクフードの過剰な摂取

ジャンクフードを過剰に摂取することで、トランス脂肪酸が体内の炎症を悪化させて、メンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性があります。ジャンクフードの摂取が多い子どもたちは、行動問題が増加し、感情が不安定になる傾向があることが確認されました。

また、栄養価の高い食事を摂っている子どもたちに比べて、不安や抑うつ症状が顕著であることが、いくつかの医学論文で示されています。

Fast Food Intake, Emotional and Behavioral Problems among Adolescents with Overweight and Obese Problems Participating in MyBFF@school Intervention Program:Zahari Ishak. SAGE OpenVolume 12, Issue 1, January-March 2022