就活の不合格をひっくり返す学生の「プラチナ住所」が存在

日本最高峰の大学の1つの学生2名(ともに理系の院生でした)が、ある超有名企業の選考にきた際の話。もちろん「学歴フィルター」を突破し、面接に臨んだわけですが、ひとりは合格、もうひとりは不合格となりました。

実は、合格した側も不合格になりそうでした。どういうことかというと、採用責任者であるその会社の部長が、不合格を出す前に再確認のためエントリーシートを眺め直していたところ、

「プラチナ住所、気づかなかった?」

と新卒採用業務に携わっていたその場の全員に問いかけたことで、いわば敗者復活したのです。どういうことか?

プラチナ住所? 白金台? など初耳だと思いますが、この場で使われた「プラチナ住所」とは、都心の超のつく地価の高い一等地にそびえたつタワマンの住所を、「帰省中住所」という欄に書いてあったことを指していました。部長は「成功者の御子息」という言い方で「落としちゃダメだよ~。面接に呼ぼうよ」と皆に触れ込んだのでした。

コネなしで不合格になった学生の方は「かわいげがない」が理由

対して、不合格が確定した側はどんな背景があったのでしょうか。ひとり親家庭出身の塾にも行ったことのない猛者もさだったのですが、その部長の、

「カルチャーフィットが弱い」
「うちっぽくない」
「『チャーム』がない」
「育ててあげたいという気がしない」

の一声で、あっけなく不合格となりました。

ちなみに「カルチャーフィット」とは、その組織文化への適合性を指しているようですが、文化への適合性とはつまり、なじみやすさ、親しみやすさであり、好き嫌いを土台にした相性と言い換えてもよいと私は考えます。「うちっぽくない」とほぼ同義です。

また、「チャーム」とは、ずばり「かわいげ」です……。従順とか、素直とか、要は「扱いやすさ」とも換言できそうですが、かわいいやつなら育ててやる、という非常に乱暴な話を恥ずかしげもなくしている、ということになるわけです。

これはそう単純に何が正しい・正しくないでは語れません。言語表現を超えた何かを見破り、決定したことかもしれないし、その企業に入ることが人生のほまれでもないのだとしたら、なんとも外野が言い様のない事象です。

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