自転車乗りの命と引き換えに充電している

EV給電車は、給電完了まで30分や40分はそこに居続け、後続自転車の“通せんぼ”をし続けるわけだ。要するに当該のEVは自転車乗りの命や安全性と引き換えに、チュウチュウ電気を吸っているのである。それを都の事業として後押しするという駄目さ加減。

現在「社会実験中」らしいが、延長延長を繰り返して今に至る。間違いなく「なし崩し的に認めさせる」ことを目論んでいるのだろう。

筆者撮影
「社会実験実施中」と書かれた看板。当初の実験期間は過ぎたのに、まだやっている

EV路上給電が許しがたい理由はこうした自転車の安全性以外にも、もうひとつある。それは「なんのため?」という根源的な部分だ。

EVを普及させようというのは、もちろん二酸化炭素を出さないエコビークルだからだろう。いや、最近はそれすらアヤシいが、それはまあ今回はおいておこう。「まあまあエコ」としておこうか。しかし、その「まあまあエコ」のために、自転車のスペースを潰すのが分からない。

EVよりエコな自転車の邪魔をしている

EVと自転車のどちらがエコかといえば、誰がどう考えても自転車だろう。完全無欠のエコビークルである自転車の邪魔をしてEV、ということになると、最初から「エコのため」というのがウソなんだな(笑)というのが丸わかりだ。

全般的に言って、小池都政はこういう整合性のなさというのが致命的な欠点だ(太陽光パネルもそう)。だいたい国(国交省)はガイドラインを定めて、こういう自転車などの走行車両の通行を邪魔するようなEV給電機設置はやめろと言っている。

それなのに小池都政は「東京だけは別ですわよ、ふふん」とかいいながら、今でも(2024年7月現在)社会実験継続中だ。