まるで独裁者の顔が透けて見えるよう
小池百合子氏の特徴は、小池劇場といわれるように、悪者をつくって「それと闘う私」の姿勢を見てくれという役回りでモノをいうことだ。7月の都議会選挙を意識しているものだから、片っ端から敵をつくり演じ続けている。
千代田区長選挙でも“都議会のドン”というレッテルを貼った内田茂都議相手の代理戦争だと喧伝してきた。マスコミもこの構図に乗って大騒ぎをした。特に小池氏が戦略的なのは、自民党都連や都議会自民党を敵視する一方で、安倍晋三総理とは握手をして直接対決はしない。進退伺いを出すだけで自ら離党をするわけでもない。立ち位置をうまく考えていることで、有権者は躊躇せずに石川雅己候補に一票を投じ、自民党支持者のうち61%を取り込んでしまった。“小池ブーム”が続いたことが、自民党推薦の候補者が惨敗した大きな敗因のひとつでもある。
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(吉田茂人=構成 村上庄吾=撮影)


