坪350万円のマンションが坪700万円に爆上がり

その兆しはすでに表れています。

中野駅の南口には既に建っているランドマークのタワーマンションがあります。入居後間もなくの売買価格は坪あたり350万円程度でしたが、分譲以降、徐々に価格が上昇しており、再開発が本格化したここ1年くらいでは坪700万円を超える取引も出てきているようです。

マンション価格の高騰や再開発計画の期待などによって、築10年以上のマンションが2倍以上に値上がりしているのです。

中野の再開発プロジェクトが完了するのは2030年ごろの予定です。今後、再開発が進みマンションが増えていく過程で、さらに値上がりする可能性もあります。

再開発によって、新築マンションだけでなく中野駅周辺の既存のマンション価格も押し上げられていく可能性が高いと見ていいでしょう。

「今後中野の不動産価格が上がる」と見る人が増えることで、中野の不動産価格が押し上げられるという好循環が起きつつあります。

すでに価格が高騰しているエリアのタワマンより、中野のほうが値上がりする、と見る人が増えているのです。

「築10年くらいの中古マンション」が狙い目

では中野のどんな物件が「狙い目」なのでしょうか。

基本的には中野駅周辺の不動産は比較的再開発の恩恵があると思います。ただ、一戸建ての場合、マンションほど値上がりの恩恵は期待できないかもしれません。

基本的に一戸建てとマンションは別の市場と考えたほうがいいでしょう。近年、外国人富裕層などによる不動産価格の上昇はマンションのほうが顕著に表れています。

一方、一戸建ての需要はコロナ禍で一時上昇しましたが、マンションほどには上がっていない状況です。今回の再開発計画でも、駅近物件はマンションの方が総数が多いため、一戸建てにはマンションほどの影響はないと考えられます。

ではどんなマンションなら値上がりが期待できるでしょうか。

再開発計画で新たに分譲されるマンションは、価格設定が当初から高くなっています。そのため、新築マンションを買っても、値上がりの「率」はあまり大きくならない可能性もあります。

むしろ中古マンションのほうが安く買えて、キャピタルゲイン(売却益)を狙いやすいかもしれません。

ただ、旧耐震基準で建てられたマンションの場合は、住宅ローンの利用が限定されるなどの理由により、値上がりしない可能性もあるので、注意が必要です。

写真=iStock.com/Masaaki Ohashi
旧耐震基準で建てられたマンションだと難しい(※写真はイメージです)

一般的にはマンションは築年数が浅い方が流動性は高いのですが、、今回の中野再開発にあたってキャピタルゲインを狙う場合は、築10年くらいの中古マンションが狙い目かもしれません。